200人が本棚に入れています
本棚に追加
甘い甘い夢を見ているようで、ふんわりと綿菓子にくるまれているようで、空也に抱きしめられたまま眠った。
「ようこそおいでくださいました」
夕方マンションに迎えが来た。
8人乗りの白いワゴン。
広々とした車内。
空也と私と淳、潤、日比谷が乗り込んで、ホテルに送られた。
「ここで着替えてから会場に向かいます」
あいさつをしたのは、以前、空也と2人で過ごすはずだった別荘で会った満谷さん。
「空也様と宮様はこちらに……」
淳と潤と日比谷は別のスタッフがやってきて連れて行った。
満谷さんに連れて行かれた部屋には昨日、空也が選んでくれたスーツが届けられていた。
「満谷、下がってろ」
空也が言うと満谷さんは頭を下げて、部屋から出て行った。
「初音、こっちにこい」
空也に呼ばれて近づく。
「何だか……緊張して来ました……」
空也の家族。
初めて会う両親。親戚。
海さんや雅さんには会ったことはあるし、ロイだって従兄弟らしいけど……。
「自然にしてればいい」
「そ、そうですけど……カ、カミングアウト…?」
「『恋人』って紹介してやろうか?」
イタヅラっぽく笑う。
「意地悪言わないでください」
最初のコメントを投稿しよう!