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ハラリ、と桜舞う。
だんだんと温かくなってきた。あの夢も鮮明に覚えている。受験を決意した若き日から40年経っていた。学校の先生として働いているゆきみ。夢を叶えたのだ。
桜の日々が華やかに戻っていた。聞くとある造園業の人々が木々を戻しておいたらしいのだ。だんだんと育っていく桜を見るのはゆきみの楽しみだった。
初めて桜が戻ってきたことを知ったのは今から20年前。この時もお母さんが教えてくれた。
「桜が戻るみたいよ。街の噂になってる。」
ワクワクと咲く日を待っていた。それから20年。あの桜並木の華やかさが街に戻っていた。
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