大江戸ガーデニング戦争

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 日本庭園の様式は大きく分けて三つある。  白砂を水に見立て石組みを主体として自然の景観を表現する枯山水(かれさんすい)、茶室へ続く通路に飛び石や灯籠を置き、狭い空間に閑静な自然を感じさせる露地(ろじ)、そして自然の景観を写し取ったような池庭(いけにわ)。  水戸光圀(みとみつくに)が設計したと言われる小石川の後楽園を境に大名の下屋敷を飾るのは池庭が主流となっていた。  大木屋甚八は六義園(りくぎえん)を設計した柳沢(やなぎさわ)吉保(よしやす)の孫弟子であり、その手元には庭石や池の配置に関する資料や、樹々についてまとめられた物等、庭園の設計に関する資料が多くのこされていたが、六義園を模倣し、改革が進んできた業界の中にあって少々古臭い印象も否めなかった。
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