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私は遂に現場から解放された。神の御心故か。私はファイナルスパイスに貢献出来たのだ。「やぁ、空輝。真守(まもる)お父さんだよ?元気にしてたかい?」眼前にあるはファイナルスパイスを遥かに凌駕した存在感、存在意義の持ち主…宮浜真守(みやはままもる)。喇嘛教の最高位であり、出産経験のある稀有な男性だ。苦痛と悦楽を中和させ、本来不可能とされた男性の出産を可能にした男。我が偉大為る父だ。身長は5フィート強であり、小柄だが、芯があり、何より偉大何だ。「そのあなたの子が他ならぬ私、宮浜空輝何です!!はぁはぁ…。」私は必死に思慮を巡らし、父の投げ掛けに応えんと発した。「あっははっ!空輝は相変わらずだな。区政府側がな?空輝の再生回数を懸念していた。あまり無茶はするな。」父は誇らしく笑み、電光石火の如く消え去ったのだ。「真守お父さんっ!!宮浜空輝は宮浜真守から生まれたんです。私はあなたから生まれたんだよ……うぅっ。」私は相変わらず、中和ばかりしていた。「あっと…空輝。言い忘れていたが、新しいお母さんが来るぞ?分かるな?あっははっ!」父は私の背後からそう告げた。そしてまた電光石火の如く消え去ったのだ。とある街並み…人は不思議と疎らであった。
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