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果てて力を失ったはずの前が、持ちあがって糸を引き、臍のくぼみに水たまりを作っている。リアムの長い指に翻弄され、優吾の熱い器官は、うねるように快感を貪った。
高みに向かう感覚に意識が集中する。反った身体を頭と肘と足だけで支えながら、優吾は全身を硬直させブルブル震えた。
「いっ…いい。そこいい‥‥あぁ、いい。もういきそう。リアム……中に来て」
ずるりと指を引き抜いたリアムが、優吾の蕾に脈打つ熱塊を当ててゆっくりと貫いた。最初こそきつかったが、嵩が輪をくぐれば楽になる。指で散々に弄られて腫れて快楽しか生まなくなったシコリを、大きく熱い昂りで擦り上げられ、優吾は頭を振りながら、言葉にならない懇願を繰り返した。
小刻みなスライドを続けていた長い肉茎が、いきなりズイッと止まることも無く、奥へ奥へと快楽の道を突き進む。
「やぁあ~っ。狂う。狂っちまう。奥、ダメ。ダメ。あっあっ……中が動くッ」
「はぁ、すごい蠕動だ。もっていかれる」
クッと喉をならし、眉間に皺を寄せて堪えるリアムの男らしい色気にあてられて、優吾は増幅した感度のまま、視界がぶれるほど揺さぶられた。
もう二度と抱かれることはないと思っていたからこそ、愛しい男に狂わされるこの瞬間は、喜びで満たされ慟哭したくなる。
「…ッ。くそっ。止められない。スパートかけるぞ」
「もうだめ。ホントダメ。ああっ……くる。なんかくる。アッ、ヤッ……いっ、いく、逝グッ」
目の前が発光したように白くなり、リアムをギュッと締め付けた部分から、凄まじいまでの快感が爆発した。
リアムの熱い飛沫が噴出して、全てを快感として捉えるように作り変えられた淫洞が、迸りを浴びて歓喜する。
コントロールできずに跳ねてはベッドに打ち付けられる優吾の上半身を、リアムが抱きしめた。
リアムの上体が優吾の上にかぶさったために、太い雄茎の位置がズレ、優吾はまたもやオーガズムに達する。一瞬気が遠のいた優吾の額にリアムが口づけ、そのまま頬、口へとキスを降らせながら、「愛してる」と呟いた。
「俺も。俺もリアムを愛してる」
リアムがハッと目を見開いた。
「その言葉を聞きたかった。告白したばかりの恋人の顔を目に焼き付けておかななきゃな」
喜びで溶けそうな笑顔を浮かべたリアムが、優吾の額に自分の額を擦りつけてくる。
「近すぎて顔が見えないだろ」
愛しさとくすぐったさに照れた優吾が、リアムの身体を押しながらクスクスと笑った。
「ユーゴ。お前が好きだ。音楽の面でも、実生活でもパートナーになってくれ」
「それって……」
プロポーズと言いかけて、声が詰まる。
臆病風に吹かれてリアムから離れたとき、優吾は心も身体もリアムを求めて狂うほど苦しんだ。
今また、こんなにも激しく真剣に求められることが、どれだけ幸せに感じることか!
「もう死んでもいい」
「バカ。何十年もちゃんと添い遂げてからにしてくれ」
「そうだね。できるなら、この幸せをリアムに返したい。与えられるだけでなく、俺もリアムの力になって、同じ目線で歩いていける最高のパートナーになりたい。リアム、愛してる。俺、リアムが追い求める理想の曲を歌い上げてみせるから、二人で音楽のunknown territoryを開拓しよう」
「最高の返事だ。期待しているよ」
リアムの口づけが降ってくる。ペールブルーの瞳が、愛しそうに優吾を見つめた。
クールな色合いの瞳の奥には、あの南仏の色鮮やかな街と同じくらいの情熱が潜んでいる。
どれだけ求めても色褪せない、熱くて刺激的な愛情が‥‥‥
the end
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