1 旅の行先は

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1 旅の行先は

「なんでぇ!??」 地図と今自分がいる場所を何度も見返しながら叫ぶ女の子がいた。 名を「すず」という。 長い髪をひとつに結わせて、海のように青く輝く宝石、アクアマリンだろうか、ネックレスを首に下げている。 「ここどこよ!?ちゃんと地図見てきたのにぃ!」 すずは周りを見渡すが、なにもない、海岸のようだった。 茂みの中からがんばって出できた身にとっては、すこし残念だろう。 「どーしよどーしよ、あぁあー、お腹すいたぁ」 ドカッ 「うわぁあっ!」 辺りを歩き回るすずに何かがぶつかり、すずは砂浜に一直線。 「いったぁ……」 すずが顔をあげた時、あまりにも驚いてしまった。 「えっ」 ぶつかったのはパッと見だとでかいイカのようだった。 足が13本あり、体長はすずの3倍もある。 いか「なんだお前」 いかがゆっくりとすずに近づいてくる。 すず(なになになになに!?) いか「お前生意気だな」 すず「はぁ!?わたし何も言ってないよねぇ!!??」 いか「うるさいっ!!」 いかはその長い足をすずに巻き付け軽々と持ち上げた。 そして、大きく口を開けた。 すず(えーー!!まって食べられるの!!??やばい!?) もういかの口が目前にある。 すず(やだやだやだ!) すずの悲鳴が響いた。 それを聞きつけたものがいた。
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