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本来ならあと少し世話をする予定であったが、数年前に身体を壊したために、一族の元へ戻り、長期療養中であった。
母のことを思い浮かべた雪花は、無性に月詠に会いたくなった。
「まぁ…雪花が会いたいって言うなら、向こうは大歓迎だとは思うけれど…」
「本当?!じゃあ早速行きましょ!」
月鬼の言葉を聞いて、パッと表情が明るくなった雪花は、勢い良く立ち上がった。
「なっ…おい、ちょっと待て!」
叫ぶ月鬼の声も虚しく、雪花は部屋を飛び出して行った。
「全く…手のかかる………」
月鬼は再び盛大に溜息を吐くと、雪花の後を追い、月氏一族の村へと向かった。
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