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…誰かが泣いている。
誰だ…?
どうか泣かないで。
そう言いたいのに声が出ない。
手を伸ばしたら届く距離なのに、どうしても届かない。
きっと泣いているのはあの子だ。
誰よりも大切にしている俺のお姫様。
小さな頃から知っている。
おてんばで、おっちょこちょいで、少しわがままで。
でも本当は、家族想いで優しい女の子。
泣かせたくない。
悲しませたくない。
いつも笑っていてほしい。
君は俺の主だから、それ以上の関係なんて望めないけれど、それでも君が笑顔で幸せに過ごすだったら、何だってしたい。
だから、お願いだ。
彼女の元へ戻らせてくれ…
***
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