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初恋の人
「ルイ君の初恋の人って、どんな人だった?」
そう聞いてきたのは、橘花音。高校2年生。
肩の長さまで伸びた茶髪を頭の高い位置で一つに結んでいる。活発な雰囲気の少女だった。
「どうしたの?いきなり初恋の人なんて」
答えたのは、矢吹ルイ。金髪で青い瞳に眼鏡をかけ、フランス人の父と日本人の母とのハーフて身長は180センチもあるイケメンだった。
「なんとなく気になったから。女の人と遊びまくってるルイ君の初恋の人って、どんな人だったのかな~って」
「遊びだなんて人聞きが悪いよ、花音。俺は真剣に全員と付き合ってるよ」
花音は呆れた目をルイに送る。
「そうだな。俺の初恋はお姫様かな」
「お姫様⁉︎ 何それーー⁉︎」
あまりにも花音の大きな声に思わず耳を塞ぐ。
「うるせーな、お前ら」
「何の話してるんです?」
ルイと花音の会話に割り込んだのは、黒髪の癖のないストレートで顔立ちの綺麗な少年。そこら辺にいる女性より恐らく綺麗であろう。黙っていれば美少年なのに、口が悪い。東堂尚弥、高校2年生生。
もう一人は一ノ瀬潤。身長が165センチを気にしてる、癖っ毛で淡い茶髪の少年。可愛い感じの弟気質の少年だが裏の顔を持つ恐るべき人物である。舐めてかからと痛い目に合う。
四人は同じ高校に通う高校2年生。小学校からの幼馴染である。
「初恋の話だよ!ルイ君の初恋の人、お姫様なんだって!」
興奮気味に花音が答える。
「へぇー。お姫様ってことは美人です?」
「ああ。俺にとってはお姫様ってなくらい綺麗な人だったよ」
「何がお姫様だよ。それより、早く帰ろーぜ。今日潤の家でゲームやる約束だったろ?」
尚弥にとっては初恋話よりゲームの方が大事だった。潤が入手困難なゲームソフトを見事にゲットしたのだ。早くプレイしたくて仕方ない尚弥。
「じゃあまた初恋話聞かせてね、ルイ君」
バイバイと手を振り花音が帰って行った。
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