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そして翌日、護衛だけでなく大勢を引き連れてヴィンセントがクスバート家を訪れた。
アンジェリカは野暮ったい去年のドレスしか無いのが残念ではあったが、髪型やメイクを工夫して少しでも綺麗になれるように頑張った。
一方のヴィンセントは美しい飾りがたくさんついた王族の服を身に付けていて、いつもよりさらに素敵だった。
司祭も同席しての婚約の儀式を行い、正式な書類二通ずつにサインをしてそれぞれの国に提出することになる。
「アンジェリカ、急だったから指輪は用意出来ていないんだ。サイズも、好みもわからないしね。卒業パーティーまでに好きな物を一緒に選ぼう」
「はい、殿下。ありがとうございます」
両家で話し合いの結果、学園を卒業したらすぐにアステリアに行き、王宮で花嫁修行をする事になった。結婚式はその半年後となる。
「ウィリアムたちのひと月後になるな。お互いの結婚式に夫婦で出席することになるだろう」
「楽しみですわ。皆、同級生ですものね」
その光景を想像してアンジェリカは幸せな気持ちになった。
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