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卒業パーティー
アンジェリカが魔法によって姿を変えられていたという事実は瞬く間に知れ渡った。
人々は魔法の恐ろしさを知り、何年も不遇な目に合っていたアンジェリカに心からの同情を向けた。
事実を知ったクラスメイトたちは皆、アンジェリカに謝罪をした。
「ごめんなさい、アンジェリカ。あなたを見た目で判断して笑ったり馬鹿にしたりして。私たちの方が醜い心の持ち主だったわ」
「いえ、いいんです。私こそ、自分で自分を貶めていたのですから。そして勝手に卑屈になり、誰とも関係を築こうとしなかった。一人ぼっちだったのは当然の報いです」
アンジェリカは卒業と共にこの国を去りアステリアに行ってしまうが、それまでの間、改めて友情を築き直そうと皆で約束した。
美しい女性が大好きなウィリアム王子はヴィンセントをかなり羨ましがっており、アンジェリカの本当の姿を見抜けなかったことを悔やんだ。
「ヴィンセント、婚約者を交換してくれないかな……?」
などと笑えない冗談を言ってヴィンセントからもクリスティンからも睨みつけられていた。
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