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エピローグ
あれからどのくらい時が経ったのだろう?
夏の日差しなど、あの日から一度も見ていない。暗く冷たい牢屋の中で朽ち果てていくばかりだ。
「あのまま死んでいた方が楽だったな……」
突然逮捕され、魔法絡みの案件だからと裁判も何もなくこの牢屋に閉じ込められた。二度と出ることは無い、と言われて。
アンジェリカはどうなったのだろうか。魔法は解けたのだろうか。ヴィンセントと結婚してアステリアで暮らしているとだけ知らされた。
僕は全てを無くし、それでも彼女を手に入れることは出来なかった。
牢屋に入る前に一目でいいからアンジェリカの顔を見たかった。
あの夏の庭園で見た美しい笑顔をもう一度……
(完)
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