何かが変わる予感

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確かに、紗栄子に対して言ってくれたことも嬉しいが、それよりも私は藤堂さんが、周りの人にわからないよう付箋にメッセージを書いてくれたことが堪らなく嬉しい。 藤堂さんと二人だけの秘密を持てた気分になれる。 藤堂さんが居なくなった後、思わず口元が緩んでしまった。 「芽衣!何をニヤついているの?良いことあった?」 後ろから覗き込むように声を掛けて来たのは、同期入社の真理子だ。 真理子は私の数少ない何でも話せる友人でもある。 華やかな風貌に、明るい性格は誰からも好かれる女性だ。 「ま---真理子!何でもないよ。」 「---そう?妖しい---今日は話聞いてあげるから、飲みに行くよ!」 「---そんなぁ。真理子はいつも強引だよね。」 真理子はいつも強引に物事を進めるが、何故か憎めない。 彼女の笑顔を見ると、何でも許してしまいたくなるのだ。 「芽衣、久しぶりにカンパーイ!!」 私達は居酒屋でジョッキをコツンと当てて乾杯する。 ここは私達が以前に偶然見つけた居酒屋で、食事が驚くほど美味しい。 このお店の女将も母親のような人で、とても居心地が良いのだ。 私たち二人の秘密のお店だ。 冷えたビールをゴクゴクと飲んだ真理子が、唐揚げを箸で掴みながら私をじっと見る。 「芽衣、何か私に隠してない?」 「う------ん。えっと-----」
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