彼女になる

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「俺を信じて欲しい…俺じゃダメかな?」 「あの----私で良ければ-----よろしくお願いします。」 「ありがとう!!嬉しいよ!」 奇跡が起きた。 24年間彼氏なしの私に、こんなに素敵な彼氏が出来てしまったのだ。 まだ信じられない。 私なんかには、手の届かない存在だった藤堂さんが、目の前にいるだけでも信じられないのに… 彼と付き合う日が来るなんて、恐れ多くて考えたことも無かった。 それと同時に、大きな不安も思い浮んだ。 私なんかが藤堂さんの彼女なんて、会社の女子が知ったら大変なことになりそうだ。 考えただけでも恐ろしい。 「---あっ---あの---藤堂さん、お願いがあります。」 「-----うん?なにかな?」 「会社では、私とお付き合いしていることを、しばらく内緒にしていただけますか?」 藤堂さんは少し考えたが、了承してくれた。 女性同士の恐さを、あまり分かっていないようだ。 藤堂さんのファンクラブのような女性たちもいる。 その女性たちが知ったら、大変なことになりそうだ。 「ねぇ、木下さん。二人の時は名前で呼び合わない?---芽衣!」 藤堂さんに、名前で呼ばれると堪らなく恥ずかしい。 もちろん嬉しいが、慣れるまでは心臓に悪い。 「俺の名前、知っているよね?」 「ゆ…ゆ…ゆ…ゆう…とさん…」 「“ゆ”が多いけど、合格です。」
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