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「まずは、藤堂と白崎さんの関係は、学生時代の恋人同士だったんだな…そうだろ藤堂?」
優斗さんは少し低めの声で返事をした。
「あぁ。それは間違えではない。学生時代に2年間程付き合っていたんだ。事実だ。」
やはり、会社の女性社員の言う通りだった。
優斗さんと彼女は恋人同士だった。
手が冷たくなり、頭がクラクラしそうだ。
九条社長は淡々と調査書を読み始める。
「大学卒業と同時に、白崎さんはフランスに行っているようだね。藤堂よりも、フランス人の彼氏を選んだみたいだな…」
藤堂さんは頷いた。
「その通りだ、彼女は俺よりもフランス人の男性を選び、自分から別れて欲しいと言って来たんだ。」
白崎さんは少し慌てている様子だ。
「そ----その時は----優斗が結婚は考えられないと言っていたから…」
九条さんの説明は続く
「フランス人の彼と結婚した白崎さんは、すぐに子供が生まれているね?」
白崎さんが、立ち上がり大きな声を出す。
「そうよ!その子は生まれてすぐに分かったわ、フランス人の彼には似ていないの。ここに居る優斗の子供だからよ!」
私はその話を聞き、目の前が真っ暗になった。
白崎さんと優斗さんに子供がいたなんて…
私は吐き気がして、椅子から立とうとした時、九条社長が肩を叩いた。
「芽衣ちゃん、もう少し頑張れるかな?」
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