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「ほんと、昭和レトロって感じだね。お庭、ひろーい・・お花もいっぱいで・・」
黄色いテープ越しに身を乗り出すようにして庭を眺める明香里の後ろで智花はあのレースのカーテンを見つめていた。
「あの・・レースのカーテン?」
「そう・・あのカーテンの向こうから誰かが見ている感じがして・・視線を感じてそこを見るとカーテンがゆらゆら動くように見えて」
「でも誰が見ていたか、誰かが見ていたかどうかもわかんないんだよね?」
たしかに、あの家族3人の誰かか確認できたことはない。とにかく、視線しか感じなかったのだから・・
「なんで智花ちゃんだったのかね・・あなた、たとえば霊感強いとか、そういう人?」
「ううん、霊感なんてない・・幽霊とか見たことないし・・でもね、なんで私だったのかは・・わかったんです・・」
さわさわと葉をゆらす風に顔をあげてから、智花は母から電話で聞かされたことを、話し始めた。
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