第20話 ノンフィクション率 90%

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 ここ何年か、ずっと調子は悪かった。  でも日常生活にひどい影響はなかったから特にお医者にいこうなんて考えなかったのだ。だがとうとう、そうも言っていられない不自由な痛みが出始めた。こうなるともう、うだうだと面倒がってはいられない。体の痛みを誤魔化しながら、馴染みの整骨院の扉を叩いた。  診断の結果、つまるところは今までのケガの影響や筋肉のこりが原因らしい。  しかも相当にひどいこりだそうで、先生いわくほぼ全身が『ガチガチ』になっているそうだ。 「これは少し長い期間をかけてほぐさないとダメですねー(-_-;)」 という感じだ。  先生には週二回治療できれば効果が早いのだがと言われたが、仕事の帰りは遅すぎて間に合わない。致し方なく、今は週一回で通院している。  今日はそんな貴重な週一だ。  そして整骨院の患者ははっきり言って『まな板の上の鯉』である。  私の場合は症状が重いので電気療法もあり、マッサージもありだ。今は電気ぶるぶるが終わってマッサージタイムであるのだが、  これが『きつい』 「うぎぎぎぎぃ!」とか、 「うににににぃ!」とか、意味不明な呻き声がどうしても出てしまう。  それほど痛い。どれだけ固まっているんだ、私のなけなしの筋肉。
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