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オレンジ色の柔らかな光の下、ベッドに横たわる志乃の姿があった。
冬用の厚い掛布に、彼の体の凹凸が見える。
「良かった……」
ふぅ、と軽く息をつき、章はベッドに近づきながら声を掛けた。
「志乃くん。もう、寝た?」
「……」
「そっか。寝ちゃったか」
疲れたもんね、と返事をしない志乃に独り言を掛け、章もベッドにもぐった。
明かりを消そうと、サイドテーブルのリモコンに手を伸ばすと、そっと触れるものがある。
「章さん……」
志乃の手が、章の手に被さってきたのだ。
「志乃くん。寝てたんじゃ……」
返事はなく、ただその指が、章の指に絡められる。
「……」
もう、言葉は要らない。
二人は唇を合わせ、互いを求めた。
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