第一章 夢への第一歩

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「何か、古臭いんだよね」 「はい」 (ああ。もう、この会社辞めたいな) 「もっと若い世代に受ける、斬新なデザインじゃなきゃ」 「はい」 (お金さえあればなぁ。宝くじ、当たらないかな) 「あ、でもね。シニア層も大切に、だよ?」 「はい」 (もし、高額当選したら……)  課長のトークを聞き流しながら、章は妄想に耽り始めた。  もし、宝くじで高額当選したら。  まずは、即刻会社を辞めて。  社員寮も、もちろん引き払って。  家を買おう。マンションがいいかな、一戸建てがいいかな。  平屋だったら、庭があるな。  花や野菜を育てて。  そして、素敵な恋人ができたら、いいな……。
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