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「何か、古臭いんだよね」
「はい」
(ああ。もう、この会社辞めたいな)
「もっと若い世代に受ける、斬新なデザインじゃなきゃ」
「はい」
(お金さえあればなぁ。宝くじ、当たらないかな)
「あ、でもね。シニア層も大切に、だよ?」
「はい」
(もし、高額当選したら……)
課長のトークを聞き流しながら、章は妄想に耽り始めた。
もし、宝くじで高額当選したら。
まずは、即刻会社を辞めて。
社員寮も、もちろん引き払って。
家を買おう。マンションがいいかな、一戸建てがいいかな。
平屋だったら、庭があるな。
花や野菜を育てて。
そして、素敵な恋人ができたら、いいな……。
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