5人が本棚に入れています
本棚に追加
過去
僕が小学校低学年の頃、まだ健在だったばあちゃんの家によく遊びに行っていた。
その家の近くに、ほとんど人の来ない寂れた公園がある。
当時、人見知りの激しい僕にとって、そこは安心して遊べる楽園だった。
そしてそこには、ぽつんと1本だけ桜の木があった。
花見をする者など誰もいない公園であったため、その桜を独占して見ることができることを、僕は密かに楽しみにしていた。
その時、出会ったのだ。今まで見た事もないほど、美しい少女を。
最初のコメントを投稿しよう!