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“やっぱりバカで猿”という言葉しか浮かばない中で龍二にもう1度叫ぶ。
「好きだからに決まってるじゃん!!
好き同士がするから意味があるんじゃないの!?」
あたしの叫びに龍二がゆっくりと振り向き、無表情のまま見下ろしてきた。
「そんな理由じゃ俺は出来ねーから。」
「はあ!?
この理由じゃ出来ないならしない方がいいって!!」
当たり前の返事をしたのに龍二はめちゃくちゃ怒った顔になり・・・
「俺は出来ねーんだよ・・・!!!」
そう叫びながら顔を歪めて・・・
「俺は・・・っ」
あたしの腕を強く掴んできた。
「杏・・・!!」
「なに!?」
「俺はお前が嫌いなんだよ・・・!!」
「はぁ・・・?」
「大嫌いなんだよ・・・っっっ!!!」
龍二はそう叫んだ後、家を飛び出していってしまった。
それには溜め息を吐きながらまたソファーに座る。
「私の兄、情緒不安定過ぎるんですけど。」
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