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「あ、杏が来た。」 「ちょっと、杏〜。」 「どういうこと〜?」 「昨日の今日で何があったの?」 教室に着くとクラスの女子達があたしに詰め寄ってきた。 「なに?何かあったっけ?」 「尾崎君!」 「龍二?」 「彼女できたんでしょ?」 「ああ、うん昨日できたらしいね。 ていうか、めっちゃ情報早いね!!」 あたしが大笑いしていると女子達の目が怖くなった。 「杏のその反応、今回の相手が誰かまだ知らないでしょ? 尾崎君と同じクラスの女子だよ?」 「そうなの? 相手までは聞いてないや。 相手が誰かまでは特に興味ないし。 毎回短期間で”面倒になってきた“って言ってコロコロ彼女変わるし。」 あたしの質問に、女子達の目がもっと怖くなり・・・ 「安藤香奈!!」 と、叫んできた。 「安藤香奈?知らないや。」 「知らないの!?」 「みんな知ってるの? 何か有名な女子なの?」 「うちらたまに話してるじゃん!! うちらの敵だって!!」 敵?と思った時・・・ 「わっっ!!」 1人の女子にいきなり胸を鷲掴みにされた。 「あたし達ペチャパイ同盟の敵、安藤香奈!!」 「ああ、そういうこと・・・!! 男子達の憧れのオッパイ、”谷間さん“ね!!」 すっかり”谷間“が名字だと思っていたあたしにみんなが爆笑し、今日もお互いのペチャパイ具合を確認していると・・・ 「お前ら何してんの?」 急に龍二が現れ、あたしを除いた女子達が全員でビクッッッッとなった。 「尾崎君も結局オッパイなんだねぇ〜・・・。」 1人の女子の呟きに、他の女子達も何度も頷いている。 「今までの彼女、別にオッパイじゃなかったのにね〜。」 「ね〜、結局オッパイとか、尾崎君も他の男子達と同じだったんだね〜。」 「今までは男子よりも女子から人気があるような彼女を選んでたのに、今回はまた違ったタイプの彼女だね〜? 今までの彼女は杏とも仲良くなれてたのに、今回の彼女は杏のこと大丈夫なの〜?」 「杏がペチャパイだからね〜。 うちのお兄ちゃんも妹の私がペチャパイだから、オッパイ星人に成長したもん。 結局ペチャパイの妹より、深い谷間を持ってる彼女だよね〜。」 「その見た目で女とより妹とじゃれ合ってる尾崎くんのことを押してたのに、結局はオッパイの前ではただの男になるとか、ショックです〜。」 テンポ良く出てくる女子達の発言にはハラハラしながら龍二のことを見上げると、龍二は不思議そうな顔で首を傾げた。 「オッパイって?」 私のことを見下ろしてきた龍二の様子を見て、ホッとした気持ちで頷いた。 「龍二の今回の彼女、巨乳で有名な女の子だよ? 歩いていても座っていても巨乳を自慢している、その女の子自体がオッパイみたいな女の子。」 「女って男よりバカな時あるよな。」 龍二がバカにしたような顔で笑い、教室の何処かに視線を移した。 その視線の先を辿ってみると、高校で龍二が初めて付き合った元カノがいた。 顔も結構可愛い女の子で女友達も多い女の子。 私とも凄く仲良くしてくれ、龍二とのエッチの話まで教えてくれちゃって、兄のそんな話まで妹に聞かせてくるのは普通にキモいので、それについては龍二に”兄のエッチの話とかキモくて聞きたくないから、私にはもう言わないように彼女に言って?“と言ったことがあった。
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