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このままだと、のぼせる。
そう思った僕は、慌てて男子トイレの蒸し暑い個室から飛び出した。荒くなった呼吸のまま、鏡の前に立つ。頭の中が、ぐにゃりとしている。そのまま一分くらい、鏡の自分を見つめ続けていた。大きな空気が体を包んで、だんだんと、染み出していた汗が冷えていくのが分かる。体が、元の通りに落ち着いていく。危なかった。手を洗いながら、トイレでのぼせることにならなくて良かったと、僕は小さく息を吐いた。
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