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―――あれから数年が経ち、僕はまた、あの池の前に立っている。
早田が死んでから色んなことがあった。
まずはちゃんと学校に行って勉強した。
苦しいこともあったけど、なんとか頑張った。
おかげで高校にも入学できた。
高校生になってからはほとんど休みなくバイトしてお金を貯めた。
そのせいで友達は一人も出来なかったけど。
18歳で免許を取って、自分のお金でバイクも買った。
正直、最初は死にたくて死にたくて仕方なかった。
でも、死のうとする度に早田の笑顔や、楽しそうに話す姿が頭に浮かんで来て、もしも僕が死んだら、僕が覚えてる早田も一緒に消えてしまうんじゃないかって、そう考えたら死ねなかった。
だから、僕は生きる。
早田が生きたかった分まで、思い出と一緒に頑張って生きてみるよ。
そしていつか、僕の思い出話を聞いてほしいんだ。
たった一人、僕の最初で最後の親友である君に。
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