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『うちなんて弟だからもっと激しいw
そのくらいかわいいもんよ
妬いてんの?
由衣ってかまってちゃん?』
一瞬、眉間にシワをよせた。
「違うし」
それだけ送ってスマホを机に置いた。
かまってちゃんって何よ。雫がいつもお母さんを困らせてるから、そう言っただけなのに。
「雫〜、これ、ねえねの大事! ぐちゃぐちゃしないで!」
散らかった漫画を一冊ずつ集める。雫も私と同じように漫画を拾い「ごめんちゃい」と私に漫画を手渡す。
「雫、ごめんなさいできるんだね」
「ごめんちゃい」
「いいよ〜、もうしないでね」
「は〜い」
かまってちゃんは雫の方だよ! かまってもらわないと一人じゃ何もできない。
部屋のドアがゆっくりと開いた。
「由衣、ありがとうね。ほら、雫、ねえねはお勉強だから。ニャンニャンのDVD観ようか」
「ニャンニャン観る」
私には何の未練もなく、手を振ってサッサと背を向けた。嵐は去った。散らかった漫画を少し残して。
「由衣、勉強頑張ってね」
「はーい」
リビングの方で、お猿のようにキャッキャと騒いでいる声がする。本当に小さい子ってめんどくさい。
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