私はお姉ちゃん

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 どんどん嫌いな私になる。黒い感情が私の中で渦巻いているんだ。私だっていっぱい我慢しているのに。言ってはいけないとわかっているあの感情が、私の胸をえぐった。 「私だって、好きでお姉ちゃんになったわけじゃない!」  口から出てしまった言葉は、もう戻らない。ぐしゃぐしゃになったテストを床に投げつけた。テーブルに残っていたテストも全部丸めてゴミ箱に捨てた。ビリビリになったテストはまるで自分のようだ。情けない姿で床を汚している。  お母さんの顔は見れなかった。涙が勝手に出てくるから、急いで部屋に戻った。背中の向こうで、雫の泣き声が私を責める。私は悪くない。そんな自分があまりにも惨めで、振り切るかのように勢いまかせにドアを閉めた。バタン! と伝わる振動が、心にジンジン響く。  布団にもぐった。途端にむなしくなって、涙腺が崩壊した。    嫌い。雫もお母さんも。大嫌い。雫が産まれてこなければ、私がこんなに我慢することもなかったのに。  泣きすぎてこすった目が痛い。こんな泣き顔じゃ、明日学校にも行きたくない。  晩ご飯もいらないとお母さんを言葉で突き放した。私はずっと布団の中で、自己嫌悪にまみれている。   「おむすび置いとくね」
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