私はお姉ちゃん

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 いらないって言ったのに、お母さんが机にお皿を置いた音が聞こえてきて、それでも私は布団にくるまって無言を貫き通した。私は醜い。お母さんが部屋から出ていく音がして、止まっていた涙がまた溢れた。    私の感情とは裏腹に、体内時計が空腹を知らせる。    布団から抜け出してイスに座った。ラップで包んであるおむすびは、まだ温かくてじんわりと泣けてくる。一口かぶりつくとちょうどいい塩加減。お母さんが作るいつものおむすびだ。おいしい。  ほろほろと溢れる涙が頬も手も濡らすので、塩味がおむすびなのか涙なのかよく分からなくなっていた。    朝はドア越しに学校休むと伝えた。 「お腹痛いから休むって連絡しておいたよ。お母さん仕事行くからね」  お母さんと雫が出て行って、静まり返ったこの家で私はたった一人だ。自分が動くと些細な音もよく聞こえる。  もうビリビリになったテストは片付けられていた。床にはテストのかけら一つもない。  昨日の晩ご飯はシチューだったのか。  食パンをトーストしながらシチューをレンチン。ラップされたサラダとドレッシングを冷蔵庫から取り出す。先にトーストができて、マーガリンを塗った。そうこうしてるうちにシチューが温まったことをレンジが知らせる。
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