私はお姉ちゃん

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 不思議なくらいに用事がスムーズにできる。私の動きを邪魔をする雫がいないからだ。いつもなら周りをドタバタとかけまわって私とぶつかったり、牛乳をコップに注いでいる途中で、急に「ねえね」と服を引っ張られてこぼしたりするのに。何もかもスムーズだ。  一人で静かに食事をするのはいつぶりだろうか。いつも必ず雫がいて、キャーキャーと騒ぐ声がうるさいなと思っていたのに、いないならいないで急に物足りなさを感じる。きっと、昨日の今日だからだな。そう思うことにした。  一人で一日ゴロゴロしながら過ごすのにも限界がある。スマホで動画見たりゲームしたりするのも、目が疲れてくるし、腕もだるくなってきた。さっぱりした飲み物が欲しいな。  身体が炭酸飲料を求めている。適当に着替えて財布を掴んだ。  うちのマンションからコンビニまで徒歩五分。平日の午前中に私服でうろうろしている背徳感を若干感じながらコンビニへと向かった。  途中には雫もよく遊ぶ公園がある。この時間だから幼稚園に行く前ぐらいの、要は雫ぐらいの小さな子がたくさん遊んでいる。 「もう一回!」 「またぁ?」
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