私はお姉ちゃん

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「なんかさ、いつもバタバタして忙しそうだし言い出しにくくて。お金もかかるし、塾も遠いし。夜遅いから絶対車で送迎になるでしょ。お父さんは仕事で遅いから、お母さんが雫連れて送り迎えしなくちゃいけなくなっちゃうし……」  更紗ちゃんが「そんなこと気にしてんの?」と目を丸くした。 「塾に行きたいって親に言うことと、そういう話は別問題。それをどうするかは親が考えることだよ。だからまずは言ってみないと分かんなくない?」 「うん……」  それでなくてもお母さんは雫のお世話で大変なのに、これ以上お母さんの負担にはなりたくないんだよね。言うタイミングが難しい。ズルズルと先延ばしにしてしまっていた。  ダイニングテーブルの上に、返却されたテストを広げた。 「お母さん、テスト置いとくね」  開けっぱなしのトイレの奥から「後で見とくね」と声がする。雫のうんちが大量な上にゆるくて、おむつから漏れて大変らしい。若干臭いも漂ってくる。   「あぁ、こりゃ全部脱がないとダメだね。このままお風呂直行だ」  私は鼻をつまんで部屋に入った。  リビングが騒がしくなったので、私も部屋を出た。お母さん、テスト見てくれたかなぁ。 「お母さ……。え! 雫何してんの!」
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