何も分からない…

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何も分からない…

こうして、 無事?受験スクールに通い始めた私。 かろうじて、 演劇を少しかじっていただけで バレエもダンスも声楽もずぶの素人。 周りの人は、 小さい頃からバレエをやってたとか、 ピアノ教室に通ってたとかいう子が多く、 皆垢抜けて、スタイルも良く 綺麗で… 私だけが浮いている気がした。 しかも、 1番困ったのが、 先生が何を言っているのかが、 分からないこと… 「はい、じゃ1番から…」えっ? いちばんて、なに??? 「そこは、 もう少しゆっくり、アンダンテで…」 えっえっえっ??? たった週一のレッスンで、 追いつくはずもなく 参加するのが精一杯。 それでも、 励まし合う友だちもできた。 分からないことは、 友だちや先生に 何度でも質問して 諦めることなく、 挫けず、亀の歩みながらも 通い続けた。 一回目の受験は、 当然のごとく一次落ち。 落ち込んでる暇もなく、 直ぐにまた、 高校の勉強と 受験スクールの勉強に 勤しむ毎日だった。 客観的に見れば、 合格の可能性は 限りなくゼロに近かったのかも しれない でも、 何の根拠もないが、 自分が華苑の舞台に立つことを 疑ったことはなかった。 こういう話は、 華苑OGからはよく聞くことで、 受験生自体がレベルが高く 僅差しかない場合 どちらを取るか? それは、 自分を信じている者 自分の居る場所はここだと疑わない人 ということなのかもしれない。
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