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お昼休み
コンビニで買ってきたサンドイッチを持って食堂へ行くと、ちょうど華原さんもやってきた。
「そろそろ佐藤さんも入職して1年経ったね。仕事は慣れた?」華原さんがお弁当を持ってテーブルに座り、私もその隣に座った。
「はい、だいぶ慣れてきました。もう1年もたったなんて信じられないです」
「働き出すとあっという間だよねえ。年を取るとさらに早く感じるよ」彼女が弁当箱をあけながら言った。中にはご飯とブロッコリーや卵焼きが入っている。
「その点佐藤さんはまだ若いから、比較的時間の流れもゆっくりなんじゃない?」
言語聴覚士の澤田さんが、施設で出る食事を持って私たちの隣に座った。
「そうですかね。ずいぶんあっという間に感じましたよ」私が言った。
「働くって、ほんと大変だよなあ」
澤田さんはそうこぼして山盛りにもったご飯を勢いよく食べ始めた。施設の入所者の人たちが食べる食事と同じものだ。今日のメニューは白身魚のあんかけと、小松菜のおひたしにひじき、杏仁豆腐、それにワカメのスープと白米だった。おかずの量は決まっているが、みそ汁とご飯は自分で好きな量をよそえる。
「今日も食欲があるね、澤田さん」
さんが彼の茶碗を半ば呆れた目つきで見つめながら言った。
「うん、やっぱり元気な1日は大盛りのごはんからだね」
「澤田さんは夕食もここで食べて帰ってるんだよね」彩華さんが言った。
「うん。もうアパートも解約してさ、ここでシャワー浴びて、空いてるベッドで寝たいなあ」彼が言った。
「それ、あと一生ここにいれるんじゃない」
華原さんが言って、私が笑った。
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