『メガネ』男子に囲まれて

シルバーフレーム 柴田にくだる天罰

その日の放課後・・葵が右隣を向くと言った。
「小野田君、部活行こう・・」
「う・・ん、今日は・・その、休もうかな？部活」と小声で小野田が言った。

「どうしてだ？小野田君・・」後ろからイカツイ声が聞こえて来た・・
「えっ？この声・・」聞き覚えがある声に小野田が恐る恐る後ろを向いた・・。

「やあ！小野田君、遅いから迎えにきたよ・・」と
料理研究会　部長　望月が立っていた・・

「え～！俺・・行きたくないよ～」と言うと小野田が全速力で教室を出て行った。
「小野田君、待ってよ～僕を置いて行かないで～」と望月が小野田を追いかける・・。

それを見ていた葵が言った。
「小野田君、どうして逃げるのかな？」
「多分照れてるんじゃないかな・・」と柴田が言った・・

「そうなんだ・・小野田君・・照れてるのか・・・って誰に？」と葵が柴田に聞いた。

「う～ん、望月さんに？」と柴田が言った。
「え～うそ・・小野田君、そうだったのか・・」
と少し驚いた顔を見せた葵・・

「でも・・そうなると柴田君、大変だね・・」と葵が言った・・
「なんで？俺が大変なの？」と柴田が聞いた。

「だって、柴田君、望月先輩のことが好きなんでしょ？」
「え？なんで？そうなるのかな・・？」と驚いた柴田が聞いた。

　「え～、だってさ、体験入部の時・・柴田君、望月先輩にもろに『壁ドン！』してたでしょ・・あんなに人がいる前で　堂々と・・それに・・」

「それに・・？」と葵の言葉を聞いて動揺した柴田が葵に聞いた。

「それに・・壁ドンして先輩の耳元で囁いてたでしょ？二人のあんな姿見たら・・私、キュンってしちゃった・・
　でも、親友の小野田君も望月先輩のこと・・となると、あ～いけない　三角関係？やばいよ～」
と少し興奮した口調で葵が言った・・

その言葉を聞いた柴田は全力で否定した。
「浜辺さん、違うんだ・・・誤解だよ・・」

「大丈夫だよ・・気づいてるの私ぐらいだから・・
　柴田君、頑張ってね・・」
と葵は両手で拳を握ると二回程上下に動かすと、ニコリと笑い教室を出て行った・・

「ちょっと待って！浜辺さん・・」と柴田の声が教室に響き渡る・・

「ふはは」と前の席の井上が笑う・・
「ぷぷぷ」と後ろの席の青木が噴き出す・・

「何だよ・・おまえら・・笑うなよ・・」と少しキレ気味の柴田・・

「天罰だよ・・」と柴田の後ろから声がした・・

柴田が振り向くと、そこには望月を巻いて、息を切らしながら教室に戻って来た右隣の小野田が立っていた・・

「小野田・・お前・・」と柴田が言った。

小野田はニヤリと笑うと「俺をはめた罰だ～」と言って柴田に飛びかかった・・

「おい　おい　おい」と笑って止めに入る青木・・
「柴田が・・望月さんを好き？なんという誤解・・」と腹を抱えて笑い転げる井上・・

小野田に飛びつかれながら柴田は、この誤解・・
どうすれば解けるのだろうか？と考えるのであった・・

シルバーフレーム　クールで知的・・
ドSの柴田・・
予期せぬ事態に追い込まれた彼・・
この緊急事態・・どう乗り切るのか・・

乞うご期待！　　　　　　　　～次回につづく～