reincarnation ~厨二病の治療中~

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reincarnation ~厨二病の治療中~

 吹き抜ける風、騒ぐ草むら、青くすっきりと晴れ渡った空、耳に聞こえてくる魔物の鳴き声。いつもいつも朝ここに来て感じる。それが日課。村の中では割と顔がいいと自負がある。動けるし、頭もいい。それが自慢だ。すると突然、頭が痛くなった。意識が朦朧としクラッと視界が傾いてその場に倒れた。  起きるとベッドに横たわっていた。結構に硬い。マットレスではないのだろう、、、!俺は飛び起きた。俺の家はマットレス。怖くなってきて周りを見渡す。どうやら俺は木造の建築物の中にいて、薄っぺらいシーツがベッドに乗っている。ここは見たことない。それに隙間風はピューピュー吹く。寒い。そう思って掛かっているはずの毛布を手に取った。しかしそれは布切れで薄く、硬く、ザラザラしてるのだ。 「ここは、、、どこだ、、、」  不意に言葉が口からポロッと溢れ出た。漫画でよく見るような異世界転生をしていたのだ。 「あぁ、起きたかぁ」  ドアがギギギと開いて誰かが入ってくる。お爺さんだ。ボロボロの服にヨボヨボな肌。今にも倒れてしまいそうだ。体臭はキツく、嗅いだことのないような加齢臭がここらに漂う。 「ここは、、、どこなんだ、、、」  自然言葉が出てきた。
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