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 最悪だ。  本当についてない。  洗濯機が急に有給休暇をとってしまったようだ。スタートボタンを押してもうんともすんともいわない。これは修理でなんとかなるものなのか。それとも買い換えの時期か。確かこれを買ったのは五年ほど前だったような気がする。 「……」  山積みの洗濯ものを前に、わたしは腰に手を当てて大きくため息をついた。オーケー、いいでしょう。有給休暇を認めようではないか。ハワイでも韓国でも好きなところへ行けばいい。休暇届に判を押すようにドラム式洗濯機のカバーをバンと叩く。  時刻は午後の十時すぎ。明日の休日を前に夜のうちに洗濯を済ませておこうと思ったのに、これではどうにもならない。別に洗濯をしなければ着る服がないというわけではないけれど、溜めておいても貯金のように利子がつくわけでもないのだ。  人というものは面倒くさい。できないとわかると、どうしてもしたくなる。動かない洗濯機を睨みつけ、わたしは洗濯カゴを抱えあげた。
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