第三章 悪魔と猫

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店を出てからベラは 「もう少し休みたかった。」 と、不服そうに言った。 私は 「別にそんな休む理由もないじゃんか。」 と言うと、ベラは 「いやいや、お話とか…ほら、色々あるじゃん」 と言ったので私は、 「あそこで話す必要も無いじゃんか。」 と言ったらベラはすかさず 「歩きながらとは違うのー!」 と言ったので私も 「じゃあまた後でこのお話をもう一度する?」 と言ったら、ベラは 「それは勘弁」 と返した。私は 「そう言うことじゃない?あんまり変わらないでしょ。話の内容さえ分かればいいってこと」 と言うと、ベラは 「そこじゃなくて、話の内容の入り方だよ。」 と言った。たしかにベラの話も一理あるが 「ここでそんな大切な話する?」 と返すと、ベラは 「分からないよ? こういう場面だからこそ、そんな話をするかもしれないじゃないか。 それに、僕はここで重大な話をしないと思う?」 と言ったので私は 「たしかに。」 これは一理あるな。 しかし、こんな場面で話すのも悪いだろう。 内容の入り方を知ってるなら尚更だ。 と思った。 それがバレたかのようにべらは 「記憶に残って欲しくないこともあるじゃないか。重大な話なら尚更ね。」 と言った。 時々見せるあの悲しい表情は何を隠してるいるのだろうか? 見ている方が辛くなりそうだ。
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