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「糞が」
「君そんな口を利くものじゃないよ」
「もう良い。帰る」
「勝手に僕から離れるなら、今度は手じゃなくて腰抱くから。恋人みたいで良いかもね」
笑顔を見せると錦は硬直し不満げな顔したが大人しく海輝の傍らに立った。
「良い子だ」
他の売店と比べ、食堂のおまけ的な小さな店の癖に利用者は意外に多かったようだ。余り商品は残っていない。
次の商品仕入れの時間はまだ先だ。
仕方が無い。売れ残りのパンを購入し今度は混雑している正面入口を避け、食堂が有する裏庭に面したガラス張りのドアから外へ出た。わずかな時間とはいえ、屋内にいたからだろうかあまりの眩しさに眩暈がする。白いアスファルトに光が反射しているからか、攻撃的と言っても過言ではないほどの眩しさだ。
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