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圭太の告白 ②
鈴木のバース性はオメガだ。
鈴木が17歳の頃、家の近くのコンビニでバイトをしていて、夜勤があけて家に帰る途中、草陰に隠れていた男に捕まり、そのまま草陰に引き摺り込まれ襲われ頸を噛まれた。
犯人はすぐに捕まったが、その犯人はバイト先で鈴木のことを可愛がっていた先輩。しかも犯人の家を捜索すると鈴木のことを盗撮した写真が部屋中に貼られていたそうだ。
鈴木は頸を噛まれたが、犯人がベータだったことで番にはならず、犯人は鈴木をストーカーしていた罪と襲った罪、そして承諾なく頸を噛んだ罪で刑務所に入ったが、その事件があって以来、鈴木は人と2人きり、特に男性と2人きりになるのが怖くなってしまったそうだ。
少しずつその症状が少しずつ治りかけていたのに、刑期を終えた犯人が最近出所し、つい先日、アパートに帰ると玄関の前に花束が置かれていた。
鈴木には花束を送ってくれる相手はおらず、心当たりがあると言えば鈴木を襲った犯人。
居場所がバレてしまい、怖くて家に帰れずビジネスホテルを転々としていたとのことだった。
ーどうしてそれを早く言わないー
被害者は鈴木なのに、そう言ってしまいそうになりハッと口をつぐむ。
「鈴木、行く当てはあるのか?」
できるだけ怖がらせないように、ゆっくりと話す。
「……両親共に他界して頼れる人はいません……」
頼れる人はいない……か。
アパートに入れないから私物は全部アパートに置きっぱなし。
このまま1人でホテル住まいは経済的にも精神的にも負担が大きい。
だったら……。
「提案なんだが、状況が落ち着くまで俺の家に来ないか?」
「え?」
俺の提案に鈴木は目を丸くする。
「ずっとホテル住まいは大変だろう?俺の家、昔晴人が住んでいた時期があって、部屋もベッドや必要な大体のものは揃っている」
「でも……」
鈴木は今、迷っている。
俺のことを信用していいのか?を。
「俺と一緒の家が怖いのだったら、鍵をつけてもいい。安心して住める次の部屋が見つかるまでの間、俺の家に来い」
「ご迷惑にならないですか?」
「ならない。鈴木は俺と一緒だと心配か?」
「そんなまさか!でも本当に甘えていいんですか?」
「ああいいよ」
子犬のように震えていた鈴木の頭をそっと撫でると、
「よろしくお願いします」
嬉しそうに鈴木が微笑んだ。
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