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深夜12時頃に帰ってきたのは、どうやら莉子の言っていた弟のようだが何故実の姉にキスしているのかは不明だ。
月風は暫くは息を潜めてはいたが、弟は布団が並んでいるのを不思議に思ったのかバサッと捲って来たのでバレてしまった。
「誰?」
「…お前こそ、誰だ?」
「フッ
僕は南月朱鳥。
姉とは血は繋がってないんだ」
「なるほどな?
だから、キスしてたんだな」
「取り敢えず、向こうで話そうか?
ちゃんと説明してもらわないとね」
朱鳥はニッコリと微笑むと、部屋を出るので月風も続いて出るとテーブルに対面する感じで座る。
「で?
貴方は誰?」
「俺は、泉月風だ。
倒れていた所を莉子に助けてもらった」
「ふぅん?
最近物騒になって来てるからね?
吸血鬼が出たって噂もあるし」
「お前、まさか」
「僕は退治屋ですよ?
君みたいなヴァンパイア達をね」
「…そうか」
「認めるんだね?
まあ、危害は加えていないようだし様子見にしようかな」
「兄貴も居るって聞いたが、そっちも退治屋なのか?」
「兄は別に違うよ?
兄は莉子姉とはちゃんとした兄妹だからね」
「そうなのか」
「今日はウジャウジャ居るから大変だったよ」
「あっ…
居なくなってる」
「だから、退治して来た訳だよ?」
「お前が居るなら、莉子は安全だな?
俺は帰る」
「どうして?
別に居ても大丈夫だよ?
貴方は特殊なヴァンパイアみたいだからね」
「何故そうだと?」
「血の匂いがしない。
摂取してないって事だね?
不思議な種族だ」
「わかるのか?」
「莉子姉の血は特殊だからね?
香りが違うでしょ?」
「人間にもわかるものなのか?」
月風がそんな風に尋ねると、朱鳥はフッと微笑むとこう返答する。
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