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「僕もある意味では特殊な人間かもね?」 「フッ なるほどな」 「月風くんだっけね? 莉子姉と取引したのかな」 「あぁ、輸血で血を提供してくれる約束だ」 「莉子姉らしいね? 輸血なら噛まなくて済むしね」 「…あぁ、血が飲めないからな」 「本当に面白いね? まさか、血を摂取出来ないヴァンパイアが存在するなんてね」 「つーか、ここに居るのはいいのか?」 「勿論だよ? 危害を加えていないんだから、問題はない」 「そうか。 話が分かるようで何よりだ」 「でも、莉子姉に迫るのは頂けないな」 「何もしてないぞ? まあ、マーキングはしてしまったけど」 「ふぅん?」 朱鳥は少しムッとしていたが、悪までも冷静な対応だ。 「つーか、お前も学生なのか?」 「うん? 莉子姉と同い年だから、クラスも同じだよ」 「そうか」 「月風くんは年上なんだね」 「あぁ、そうだ」 「大丈夫です。 学校には仲間が居ますから、ヴァンパイアは下手に手を出せませんよ」 「なら、安心だな? それは生徒の中に居るのか?」 「先生も居るよ」 「なるほどな? 学校は安全なんだな」 「まあ、そうなるね?」 「なら、良かった。 学校では守るのは難しいかと思っていたんだ」 「大丈夫だよ? 莉子姉は守られてますから」 「特殊な血だからか?」 「まあ、それもあるけど… 大切な存在だからね」 朱鳥がそう告げるので月風は気になっている事を尋ねてみた。 「莉子のご両親は?」 「勿論、生きてるよ? 研究員だから滅多に会えないのだけどね」 朱鳥は悩ましそうにそう告げるので、月風は察したようにこう聞いてくる。
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