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「あーくん、何か食べたの?」 「そうだった。 何か食べないとだった」 「月風くんは寝なくて平気?」 「フッ 夜型だからな」 「そりゃ、そっか? あーくん、取り敢えずうどんならすぐ出来るよ? 食べるでしょ?」 「うん、ありがとう?」 「じゃあ、お風呂入って来たら?」 「うん、シャワー浴びてくるね」 朱鳥は部屋から着替えを準備すると、シャワーを浴びに向かった。 「莉子?」 「何ですか、月風くん?」 「さっきの話聞いてたんじゃないのか?」 「…だったら、何?」 「嫌、別に? 莉子も大変だったんだなって思っただけだ」 「大変なのは両親と私を守る人達よ?」 「そうか… まあ、安心じゃないか? 身の回りは見張りがいるって事だもんな」 「月風くんも特殊なんだそうですね?」 「そうみたいだな? にしても、莉子」 「な、何して?!」 「嫌、くっきり付いたな」 「…勝手な人が付けたからでしょ?」 「フッ やっぱ俺のになっとくか?」 ダークな月風はギュッと抱きしめてくるのだから、莉子はハッとしたが手遅れだった。 「もう、何してるのよ?!」 「莉子の誘惑とか?」 「ダメって言ってるでしょ?! 料理中だし邪魔よ」 「だって、美味そうなんだもん? まあホワイトなアイツはこんな風に迫らないと思うけどな」 「…戻ってくれたら安心なんだけどね?」 莉子がチロッと見上げながらそう告げると、月風はフッと微笑むと頬にキスしてきた。 「ちょっと?!」 「何? キスぐらい子供でもするぞ?」 「もう一人の月風くんはしません!」 「…ふんっ あんなヘタレが好きとか有り得ない」 月風はそう告げながらも、離れないのだから莉子も困ってしまう。
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