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「ちょっとは俺にも興味向けろよな?」 「で? 休息とやらはしないの?」 「ぬっ 蒸発したらまた俺に戻るからな」 「わかった」 莉子はそう納得すると、ダークな月風は目を閉じるとホワイトな月風に戻った。 「あ、あれ?」 「おはよう、月風くん」 「莉子? 俺、どうしていたんだったけ?」 「覚えてないんだね」 「えっと、確かソファーで話していて… それから記憶がないんだけど?」 「なるほどね? 月風くん、今日は輸血しにいきますからね」 「え? 輸血って何?」 「月風くんがヴァンパイアだって知ったんですよ? だから、輸血で血を提供する事にしたの」 「え? ヴァンパイアって誰が言ったの?」 「月風くん、落ち着いて聞いて?」 「う、うん?」 「月風くんは二重人格みたいなの」 「…へ? 二重人格って、人格がガラッと変わる奴だよね?」 「うん、そうなの。 さっきまではもう一つの人格と話していたの」 「ふぅん? 莉子、何かされたりしなかった?」 「へ?」 莉子がビックリしていると、月風は首筋が赤くなっているのに気付いた。 「まさか、もう一人の俺が?!」 「えっと、そうだね?」 「ごめん! 凄い赤くなっちゃってるし」 月風は申し訳なさそうに謝るが、人格は別なのだから可笑しな話だ。 「…痛くない? 大丈夫?」 「る、月風くん…」 「絆創膏しとく?」 「…ううん? 大丈夫だよ」 莉子はあんまりに優しい対応なので、やはりホワイトな月風にはときめいてしまう。 「莉子… 俺の人格が変わるのってどんな時なのか分かる?」 月風が不意にそんな質問をしてくるので、先程のダーク月風の説明をそのまますることにした。
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