☆2

5/15
前へ
/233ページ
次へ
「パスタは平気だったのに?」 「あ、そうか… けど赤いものはちょっと血を連想してしまうからダメなだけかもな」 「なるほど?」 莉子は何となく納得してしまっていたが、月風はジッとこちらを見てくるのだから緊張してくる。 「ど、どうかした?」 「…莉子は奇麗だな」 「…へ?」 「今更だけど… 美人だから緊張するのかも」 「月風くんもイケメンですけどね?」 「は?」 「かっこいいですよ? もしかして自覚無しですか?」 「嫌、別に気にしたことはなかったんだけど?」 「ふふっ 私も緊張はするよ?」 莉子が素直にそう告げると、月風はまたジッと見つめていたがパッと顔を逸らす。 「莉子姉さん?」 「わっ?! あーくん、抱きつかないの!」 「だって? 二人の世界に入ってるんだもん」 「ごめんってば? 朝食作るね」 「つーか、月風くん大人しいね?」 「あ、月風くん… 弟の朱鳥だよ? 怖がらなくて大丈夫だからね」 「弟さん?」 「もしかして、二重人格とか?」 「うん、そーなの… だから覚えてないんだって」 「ふぅん? 僕が何者かも知らないって事か」 「…何者なの?」 「僕はヴァンパイアを退治する者だよ? まあ、月風くんは吸血行為が出来ないみたいだから様子見する事にしたんだ」 「それももう一人と話し済みって事だね?」 「うん? 取り敢えずは莉子姉が輸血提供を受諾したから、輸血は毎日するって約束だね」 「そうなのか… 莉子に負担はないの?」 「そこは同じように向こうも心配していたよ? けど、ストックがあるから使うのはそっちからだよ」 「なるほど? なら、毎回莉子の血を摂る訳じゃないんだな」 「うん? 理解が早くて助かるよ」 朱鳥はニッコリ微笑むと、莉子は月風をジッと見つめていた。
/233ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加