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「あ、あんまり見つめないでくれる?」
「あ、ごめんなさい?
何か可愛くって見つめちゃいました」
「…可愛いってのは良くわからないけど」
「朱鳥、朝食作るから手伝って?」
「勿論だよ?」
朱鳥と莉子はそんな会話をすると、キッチンに立つと仲良く朝食作りを始めるので月風もその様子を眺めていた。
「…月風くん、今日はパンケーキにしましたよ?
フルーツも乗せてみたの」
「…何か、オシャレな食べ物だな」
「うん?
ふんわりパンケーキだよ」
「いただきます」
「ふふっ
召し上がれ」
莉子がニッコリ微笑んでは月風が食べるのを見ていると、朱鳥が隣でムッとしていた。
「イケメンは狡い」
「朱鳥もイケメンだよ?」
「けど、桁が違うんだよ?
月風くんよりは劣る」
「…うーん?
朱鳥もモテるでしょ?」
「他の子にモテてもね?」
朱鳥は莉子をジッと見つめていたが、莉子は月風をまた観察していた。
「莉子、食べないの?」
「食べてるよ?」
「ずっと見ないで?
食べ辛いよ?」
「ごめん?
つい、ジッと見ちゃって」
「莉子姉さん」
「何?」
「僕の事もじっくり見てよ」
「朱鳥ったら、ヤキモチ?」
「そうだよ?
莉子姉さん盗られるのは嫌だからね」
「…?」
月風はそんなやり取りを見ながら、ふとこんな風に尋ねる。
「もしかして、朱鳥くんって莉子が好きなの?」
「そうだけど?」
「…姉弟なんじゃ?」
「義姉弟だから」
「つまり、血が繋がってないって事?」
「朱鳥、何言ってるの?
私達は家族だよ?」
「莉子姉さん、聞いてたでしょ?
僕の気持ち。
てか、ずっと知ってたでしょ?」
「…えっと、それは」
「困ってればいいんだよ?」
朱鳥はフッと微笑むと、莉子は本当に困った表情になっていた。
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