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「今日は仕事だから、月風くんに莉子姉を任せたからね?
でも、誘惑したらダメだからね?」
「…誘惑?」
「まあ、君は女子慣れしてないみたいだし無理だろうけどね?」
「…朱鳥、今日は遅くなるの?」
「うん、昨日と同じかな」
「わかった。
夕飯何かリクエストある?」
「じゃあ、シチュー食べたい」
「ふふっ
わかった」
莉子はニッコリ微笑むと、朱鳥も嬉しそうに笑っていた。
「さて、そろそろ出ないと」
「気をつけてね?」
「母さん達には元気にしてるって伝えておくね?」
「うん、お願いね」
莉子は朱鳥を玄関まで見送ると、月風がこんな質問を投げ掛けてきた。
「莉子はヴァンパイアを怖いって思わないの?」
「え?
あ、それは確かに怖いですけど…
月風くんみたいなヴァンパイアも居るんだと思うと安心しました」
「ふぅん?
そんなものなのかな」
「それより、パンケーキどうでした?」
「うん、甘くて美味しかったよ?
やっぱり莉子の料理は美味い」
「ふふっ
料理学校に通っているしね」
「あ、そうだよね?」
「月風くんは専攻は?」
「うん、美術科だよ?」
「あっ…
絵が得意なんですね」
「そうなんだ。
それぐらいしか特技がなくてね」
「なら、今度絵を描いてもらおうかな」
「え?」
月風は意外そうな表情をしてしまうので、莉子は首を傾げるとこう告げる。
「ごめんなさい?
ダメですよね?」
「嫌、違うんだ」
「え?」
「本当に描いていいの?」
「あ、うん?
月風くんがいいなら是非」
「うん、描いてみたい」
「ふふっ
なら、お願いします」
莉子はニッコリ微笑むと、月風は少し顔を赤らめて照れていた。
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