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「月風くん、どうしたの?」
「嫌、莉子の笑った顔にも弱いみたいだ」
「そうなの?」
「ダメだな」
「何がダメなの?」
「すぐに緊張しているようじゃ、すぐ人格交代しちゃうよな」
「嫌なんですか?」
「当たり前でしょ?
莉子に意地悪してるとか有り得ない」
「…ふふっ
確かにそうなるのかな」
「簡単に触らせたらダメだよ?
好きな人ならいいけどさ」
「…発言が彼氏みたいですよ?」
「あっ…
そんなつもりはなかったんだけどな」
月風はそんな感じで戸惑っていたが、莉子はニッコリ微笑むと歯磨きに向かった。
「さて、行きましょうか」
「何処に行くの?」
「ふふっ
厳重な研究施設です」
「わかったけど、俺から離れないようにね?
狙われているのは変わりないから」
「うん?
なら、手を繋いで歩くのはどうかな?」
「練習も兼ねてだね?」
「そうです」
莉子がニッコリ微笑むと、月風は照れくさそうしていたがコクッと頷くと部屋を出た。
「莉子は嫌じゃない?」
「嫌じゃないですよ?」
「なら、繋ぐから」
月風は少し躊躇っていたが、手を握ってくるので莉子はフッと微笑む。
「ここから、その施設は近いの?」
「10分ぐらいになりますよ?
近いでしょ?」
「なら、安心だね」
「月風くんの緊張状態も10分間で済みますからね?」
「嫌、それは別に気にしてないけど…」
「…そうなの?」
「ドキドキはするけど、莉子と繋ぐのは嫌じゃない」
「…?!」
莉子はそんな発言にビックリしていたが、研究施設までの道程をゆっくり歩いた。
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