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「…月風くん、何かヴァンパイアみたい」 「へ?」 「匂い嗅いでるし、行動が何かヴァンパイアみたいだなって…」 「あ、ごめん! また嗅いで」 「ううん? でも、月風くん何か顔赤いよ?」 「へ?」 「火照ってる感じ」 莉子は月風の頬をそっと触ると、更に真っ赤になっては気を失ってしまった。 「あっ! 月風くん、大丈夫?!」 パタリとソファーに倒れてしまった月風を莉子はまた介抱してやると、パチッと目が開いた。 「…月風くん、大丈夫?」 「…誰、アンタ?」 「え?」 「つーか、腹減ったな… アンタでいいか」 「へ?! な、何するんですか!」 「何ってアンタ餌だし?」 「違います! それにさっき夕飯食べてましたけど?!」 莉子が必死にそう説明していても、ダークバージョンの彼は全く意味不明だといった表情なのだ。 「食事って言ったら、血だろ?」 「はぁ?! 何を馬鹿な事を言ってるの!」 莉子は危ないと思い月風から距離を取ろうとしたが、ギュッと後ろから抱きしめられて逃げられない。 「フッ 逃げなくても、すぐ済むぞ?」 「…やだ! 離してよ」 「何で嫌がるんだ? コイツと付き合ってるんだろ」 「つ、付き合ってない!」 「は? なら、何でコイツ家に上げたんだよ」 「倒れてたから心配だったから…」 「ふぅん?」 ダークな感じの月風はフッと微笑むと、莉子は不安げな顔になる。 「…じゃあ、マーキングしとくか」 「はい?! 何言ってる…んっ」 莉子はいきなり首筋にチクリと痛みを感じたかと思うと、ダークな月風は不敵な笑みを浮かべる。
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