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ミホちゃんはちょっと、いやかなり、エキセントリックな女の子だ。エキセントリック、という言葉は使い方が難しい。たまに誉め言葉として使われることもあるだろう。でも、ミホちゃんのエキセントリックは「怖い」ほうのエキセントリックだ。どういったら分かってもらえるだろうな。
例えば、彼女が特に嫌がるのは、ぼくが彼女の言わんとしていることを「察して」あげられない時だ。
ほら、よくある「言わなくってもわかるでしょ」ってやつ。
ミホちゃんとぼくが喧嘩したとしよう。もちろん実際には僕らのそれは喧嘩というよりは大分一方的なものだけれど。まず、ミホちゃんはいつもより口数が少なくなって、僕と目線を合わせなくなる。ぼくは必死になって、なんで彼女が喋らなくなったのかを考えないといけない。
「なんで怒ってるの?」なんて絶対に聞いちゃダメだ。「なんで怒ってるか、わたしが説明しないといけないの?」って氷のような声で問い詰められるに決まってる。そうなったらもうお終いだ。
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