1章 始まりは、お菓子の香り

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事件が起こったのはその日の夕方に近い頃の事だった。 「河北さん、ちょっといいですか?今お客様からお電話があって……」 痛っっ!!!! 呼ばれて振り向いた瞬間に グキッと筋を捻る嫌な感触がして膝のあたりに痛みが走った。 (この日の勤務は後2時間。 折れていないのだから重症ではないし、 人手不足は深刻で、とてもシフトに穴は空けられない。 こんな時に不注意で怪我をしてしまうなんてーー 黙っていれば迷惑をかけずに働き続けられる) そう思ったのが間違いだった。
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