Day 1

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Day 1

 人生で初めて誰かに告白されたのは、普段と変わらない、なんてことのなかった日の放課後。  すごく、不純だった。お互いに。  今更ながらに、そう思う。 「成松くん。好きです」  二人きりの教室に、融けていくように響いた彼女の声。  別に、さして接点があるわけでもない。  なのに、なぜか、彼女の告白には熱があった。 「……突然、だね」 「うん」  ぎこちなく話をそらす。  それをわかっているのかいないのか、彼女はオレンジ色に染まりだした窓の外に目をやった。 「――協力、してほしいんだ」 「協力?」  パッと目を惹く顔立ち。  花が舞うような柔らかな笑顔。  色白い華奢な体。  この時、この瞬間から、すでに彼女の時計(タイムリミット)は刻々と進んでいたのだろうか。  僕らは、互いを利用したかった。  利害が一致した。ただ、それだけ。 「私に、五万回のありがとうを言わせて」  果たして、それだけ、だっただろうか。
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