空に

あなたが空を

飛んだ時

空は

なに色でしたか？

青空ですか？

それとも

夕焼けでしたか？

今でも

思い出します

あなたが

行ってしまった

日のことを

あの日は

夕焼けでしたね

あなたは

ひとつぶ

涙をこぼして

私を抱きしめて

“ 愛している ”

と そう言いました

強く 強く 私を抱きしめて

あなたは

きっと 帰ってくる

そう信じていました

でも

あなたは、、、、

私の中に

あなたの命が

あると知ったのは

あなたが

行ってしまったあとでした

══ あなたの命 ══

私は 嬉しくて

泣きました

女の子です

私の両親も

あなたの

お父様 お母様も

とても 喜んでくれました

あなたによく似た

目のくりっとした

かわいい 赤ちゃん

七月に生まれたので

奈々子と 名付けました

パパは 立派な人よ

そう言って

育てましたから

奈々子は

やっぱりあなたに似て

賢く 優しく 美しい 娘に

育ちました

そろそろ二十歳です

あなたも二十歳でしたね

飛行機に乗って

逝ってしまったのは

なんども なんども

泣きました

あなたを

忘れられなくて

再婚の話もありましたが

私は あなたしか

愛せません

あなたからの

手紙だけで

充分でした

あなたは

どこにいらっしゃいますか？

ときどき

空にきいています

あなたは どんなところに

いらっしゃるのかと、、、、